でしょうかな

わたしの魔境のでしょうかなのレビュー・感想・評価

わたしの魔境(2022年製作の映画)
3.1
新卒でとある会社に入った女性だが、実はそこはマルチ商法を行っており、彼女は苦悩で心をすり減らしていく。そんなある日、SNSの広告を通じて知ったヨガグループに入り、どんどん傾倒していくが。

時代を2021年に、オウム真理教をモチーフにしたグループにのめり込んでいく女性を描く。ただ本作の特徴として、そうしたドラマと関係者のインタビュー映像などを盛り込んだ現実のオウム真理教についてのドキュメンタリーが交互に進んでいくのである。それ自体は面白い試みではあると思うが、出来たものとして個人的には散漫な印象が否めず。
ドラマパートは舞台をわざわざ2021年に置き換えた意味があまり感じられず(入会がSNSきっかけなのとコロナ禍に少し触れられるぐらい?)、オチが中途半端なのもあって現実のオウムを上手く再現できなかったのをそれっぽく理由付けしているだけではないかと勘繰りしてしまう。俳優の演技は悪くなかったが、それまで。架空の団体にしても、オウム真理教ではなく、ドキュメンタリーでも多く触れられていた後継のアレフをモチーフにすれば、現在を舞台にカルトを描く意義もより強まったと思う。
ドキュメンタリーパートは複数の関係者に取材しており、死刑囚に関する未公開資料なども盛り込まれそれなりに力が入っていたが、ドラマパートとの関連付けはいまいちだし、内容に新鮮味もさほど無い。これなら素直にドラマパートを再現ドラマにしてドキュメンタリー映画として制作すればよかったのでは?
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