でしょうかな

グッドナイト&グッドラックのでしょうかなのレビュー・感想・評価

3.5
1950年代、マッカーシズムが煽られ「赤狩り」の続くアメリカ。報道も萎縮する中、テレビ局CBSの名物キャスターであるエド・マローはその風潮に抗い、マッカーシーとの対決姿勢を採る。

ジョセフ・マッカーシー失脚の一因となったエド・マローらによる報道を題材としたヒューマンドラマ。タイトルはマローが自らの報道番組の締めに使用していた台詞より。
渋い。渋すぎる。全編モノクロで劇伴は僅か、派手な展開は一切無し。登場人物の大半はしかめっ面をした中年男性。そこで自由とは、報道とはが語られるので、正直2時間あったらキツかったかも。
赤狩りの時代が舞台だが、赤狩りそれ自体はあまり劇的に描かれず、報道人としてのマローを描くのに注力している印象。不偏不党の報道など無いと言い切り、スポンサーが降りたら自腹を切ってまで支えた番組も、商業主義によってバラエティに枠を取られる悲哀。最後の演説は、テレビも新聞も衰退し、ネットニュースも苦境にある昨今、より切実さを感じられる。
でしょうかな

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