でしょうかな

ブラックボックス:音声分析捜査のでしょうかなのレビュー・感想・評価

3.7
フランス航空事故調査局(BEA)で事故機のコックピットボイスレコーダーの聞き取り等を専門とするマチューは、前任者の失踪を受けて、旅客機がアルプス山脈に墜落した事故の調査を主導することになる。当初はテロによるものと考えられたが、マチューは音声に違和感を覚え、裏に何かあるのではないかと疑い始める。

航空事故を題材とした映画は珍しくないが、航空事故調査に焦点を当てた映画はそこまで多くない。ましてやブラックボックスを中心に据えた映画は初なのでは?
音声と陰謀に取り憑かれた調査官のスリラー。主人公は些細な音の違いも聞き分ける専門家だが、それゆえに社会では音の洪水に苦しみ、妄想癖やパラノイアの気もある。そのため、観客にも主人公がどれだけ信用できるのか分からず、物語がどこへ向かうのか読みづらくハラハラさせられる。
また、現実のBEAが制作に協力したということで、後半は少々嘘臭さが強くなるが、作中の描写もかなりリアルに感じられる。
邦題の「音声分析捜査」から想像するものとは少々異なるかもしれないが、面白いサスペンスだった。

本作は現実の航空事故からある程度着想を得ているらしく、実際自分も737MAXを始めとしていくつかの事故を想起した。
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