でしょうかな

人魚伝説のでしょうかなのレビュー・感想・評価

人魚伝説(1984年製作の映画)
3.7
開発に揺れる三重県の港町。ある晩、沖に浮かぶ舟で居眠りしていた漁師の男が殺人現場を目撃してしまう。数日後、舟人海女の妻は男と共に現場近くの海に潜るが、その時、男が殺されて海に投げられ、女も水中銃で殺されかける。女は知人に匿われ離島に身を潜めるが、そこで地元の有力者が夫を殺したことを知る。

強引な開発を推し進める権力者に配偶者を殺された小市民が復讐のため武器を取る、あらすじ自体はごくごくありふれた内容。宮谷一彦の劇画が原作だが、荒々しさはかなり削ぎ落とされてしまっているし、展開も幾分強引になっている。
だが終盤、原発を誘致した国会議員のパーティーを襲撃する場面はかなり迫力がある。海女の商売道具である銛を携え、警官や自分を裏切った知人、その他大勢の出席者を刺す!刺す!!刺す!!!荒唐無稽だが、ここの泥臭いというか磯臭い、鬼気迫る雰囲気はなかなか他の作品では味わい難いものがあった。結末の物悲しさを含め、最後だけでお釣りが来るレベル。
でしょうかな

でしょうかな