"神戸ヴィーガン"
肉屋を営む熟年夫婦が、勢い余って殺してしまったヴィーガン過激派の死体を隠蔽するためハムに加工したら、間違って店頭に並んでしまい、これがめちゃくちゃ上手くて評判になるという物語。
人肉ってそもそも美味しくないみたいな話を聞いたことがあるけど、それは肉食で偏食だからなのか？
ヴィーガンは動物性の食品や製品を避けているため、その肉は新鮮でおいしいという皮肉。笑いが差別的で不謹慎極まりないのだが、いかにもフランス映画らしいユーモアのセンスが素晴らしい。
一見するとアイデア一発勝負のような設定の物語だが、味をしめた主役夫婦が、ホラー映画の殺人鬼さながらに行動がエスカレートしていくのも面白いし、肉のおかげで経営難だった店も客足が途絶えず、活気を取り戻すようになり、不仲だった夫婦愛も取り戻すという展開も面白かった。
コメディながらも物語の後半はグロい場面も多く、だんだんと見ているこっちも笑っていいんだか、ダメなんだか分からなくなってくる。オチについても皮肉が効いており、なかなかのもの。
社会風刺コメディとしては、かなりレベルが高い作品だと思った。
