Yoshitsune

西部戦線異状なしのYoshitsuneのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.8
戦争において大局的に「あなた」は無価値です。でも、だからこそ消費されます。そういう話。
これはほとんどの「あなた」を等身大に投影した反戦映画です。
主人公はパウルはひ弱だが周囲の人間に調和して戦場で英雄になって凱旋したいと考えていました。だからこそ死んだのか?だからこそ死ぬべきだったのか?答えはノー。かつてのように赤紙が届けば「あなた」の意志と無関係に犬死が訪れるわけで。

ひとたび戦場に赴けばあなたが能率的か、優秀か、経営の資質があるか、愛される人間かといったことは意味をなさず、これまで関係してこなかった軍民のエゴや戦略のために将来と命を消費する。その非業の事実の繰り返しを垣間見ることができる作品。
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