鷲尾翼

フェイブルマンズの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.5
【まとめシネマ】#926

【まとめ】
* 8ミリカメラが映す思い出の日々
* 様々なメッセージとユーモアが絶妙
* スピルバーグが教える映画の極意

試写鑑賞。

主人公のフェイブルマンは、両親と共に訪れた初めての映画館で見た映画に夢中になり、8ミリカメラを片手に映画のシーンを真似たり、家族の思い出を撮影。フェイブルマンが撮影して、こだわりの編集を加えた思い出の数々は、ユーモアに溢れてひとつの作品として完成しているものばかり。これは、フェイブルマンの映画に対する好奇心と才能、その好奇心を肯定した母親の存在も偉大だ。

後半になると、家族の異変や学校でのいじめなど傷心の物語に発展。作品全体に思うのは、セリフひとつひとつが強いメッセージ性を持っている。しかし、ハートフルなユーモアも忘れない。そのバランスが絶妙。

本作は、数多くの名作を生み出したスティーブン・スピルバーグの自伝的映画。自身が監督を務めた渾身の作品のラストは、彼の映画に対する極意が詰まっている。そして、ラストもユーモアを忘れない。

映画好きに捧げる素晴らしい作品でした。
鷲尾翼

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