鷲尾翼

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

4.0
【まとめシネマ】#1100

【まとめ】
* 互いに心の傷を知り合う
* ウィルを支える素敵な人たち
* 感謝とともに、旅路は生まれる

映画感想「まとめシネマ」1100本目

マット・デイモン演じるウィルは、スラム育ちで暴力と犯罪に明け暮れる青年。生まれ持った天才的な頭脳の持ち主でもある。ロビン・ウィリアムス演じるショーンは、妻に先立たれて人生を捨てていた心理学教授で、ウィルのセラピーを担当する。この二人の共通点は「心の傷」だ。後半になると、二人が抱える過去のトラウマが判明するのだが、その傷に寄り添えるのは、傷を負ったものだけだ。その優しさに気づき合う二人の空間は、とても微笑ましい。

本作の主人公であるウィルの周りにいる人物も、素敵な人ばかりだ。ステラン・スカルスガルド演じる大学教授のランボーは、ウィルの天才的な才能にいち早く気づいた人物であり、ウィルとショーンの関係を繋ぎ合わせた人物でもある。ショーンの本作の登場人物の中では、厳しさがある人物だと思うが、その厳しさが彼なりの優しさであり、後半になると彼の弱さも描いている。ベン・アフレック演じるチャッキーは、スラム街で育ったウィルの友達。ショーンとの出会いで変わり始めたウィルを思って、熱い友情でウィルの背中を押す。そのときの放つ名言が、最高にカッコいい。

本作の結末は、感謝に満ち溢れている。
それを言葉にしないカッコよさもあり、背中で語るカッコよさもある。そして、その決断に思う人たちも彼の旅路をこれからも見守るのだろう。
鷲尾翼

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