フェリーニに「8 1/2 」あり。
ベルイマンに「ファニーとアレクサンドル」あり。
トリュフオーに「大人は判ってくれない」
あり。
そしてスピルバーグに「フェイブルマンズ」
がついに生まれた。
その昔、スピルバーグには人間が描けないと
酷評した評論家たちがいた。
スピルバーグは自分がセシル.B.デミルの「
地上最大のショー」で映画の虜になったように、皆を活動大写真の虜にしようと一心不乱に「激突!」「ジョーズ」「未知との遭遇」
「レイダース失われたアーク」を生み出してきた。
確信犯的にこれらの作品を産んできた所から、自らのユダヤの出自も踏まえて「シンドラーのリスト」で遂にアカデミー監督賞を受賞し、人間が描けないと酷評した評論家たちを全面降伏させた。
この映画に感動するのは、そんなスピルバーグの人生の、酢いも甘いも経験してきた人間ドラマを映画讃歌に昇華させて、とことん面白い映画に仕上げる必殺仕事人ぶりなのだ。
ポールダノとミシェルウィリアムズの素晴らしいさは言うまでもないが、スピルバーグを演じたガブリエルラベルは生涯の当たり役になった。
1962年、ビートルズが生まれた年に生まれ、
1975年、ジョーズが公開された年に劇場で
まるでUSJのアトラクションを観たように
絶叫し、
2023年、たくさんの映画で興奮と感動をくれたスピルバーグの最新作に乾杯できる。
いやあ、音楽と映画って本当にいいものですね!それではまた来週、お会いしましょう。