よしや

aftersun/アフターサンのよしやのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.4
眩しいきらめきと曇天のような暗さのある映画。イギリス人の監督らしい何というかジメッとした暗さ。

父と娘の距離感の近いけどやや遠さのある感じ、娘は生き生きと日々成長していくのと比べ鬱屈とした父という対比、ザラッとした薄ぼんやりした記憶のような画面、どれも作品を彩る良い要素だったと思う。

娘の明るく伸び上がるようなみずみずしさは撮るのが上手くて観てて楽しかった。舞台がひなびた場所な分余計にいい。

全体的に落ち着いたトーンで白黒をあえて描かず、かなり大きめの余白を取っている。とくに時々挿入される現代の娘のシーンの解釈はよくわからないことも多く個人的には刺さらなかった。

父親の内省的で自己嫌悪的な陰鬱さってイギリス人の描くイギリス人って感じ、上手い。自分はもっと露骨に繊細で感傷的なタイプの男性が好きなんだろうな
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