2021

マンティコア 怪物の2021のネタバレレビュー・内容・結末

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

とんでもない映画を観てしまったー。。
とても静かで、恐ろしい映画だった。

フリアンが怪物になっていく様が、あまりにも恐ろしい。火事が原因でクリスチャンのことを好きになったわけではなくて、たぶん元々気になってたんだと思う。フリアンはディアナとの会話で「今まで誰とも付き合ったことがない」って言ってたし、自分特殊な性癖を持っていることを自覚……もしくは、もしかしたらそうなんじゃないかって自分自身を疑ってたんじゃない?

VRでクリスチャンそっくりの男の子を作って、その男の子に卑猥なことをするシーン、「空間だけを映す」っての痺れたねー。こんなとこ、観客の想像力に委ねないでよ!と思ったけど笑

最後のココアに睡眠薬入れるシーンは、まじかーって思わず口押さえちゃった。しかも、かなり計画的にクリスチャンを襲おうとしてた。けど、壁に書かれたフリアンのマンティコア絵を見て、思いとどまるんだよね。あの時の主演の目力もすごかったなー。

で、半身不随になったフリアンを甲斐甲斐しく介抱するディアナ。これも、言葉を選ばずに言うと気持ち悪いなって思った。さんざんなこと言ってフッた相手、介抱なんかできないよ普通。てか見舞いすら毎日来ないよ。

今回試写会で観させてもらって、映画ライターの高橋諭治さんが登壇されてたんだけど、この映画のことをSNS等に書くときに小児性愛という言葉は使わずに紹介してほしいって仰っていた。確かに事前にその事を知ってしまっていたら自分も観なかったと思うし、この映画は観てよかった、なんなら自分が普通だと思う人に一番観てほしいとも思ったから、変な先入観を抱かせないためにもそれが良いなって思った。

あと、観終わった後にすんごいモヤモヤしたズーンとした気持ちにもなったんだけど、高橋さんが「まず始めに、この映画は小児性愛の是非を問うものではありません。そこの議論はもう白黒ついています(確かこんなニュアンスだったと思う、曖昧ですみません)」ってハッキリ言ってくれてかなり救われた。多様性の昨今、そこまで認めるべきなのか?いや心の中で思うだけは自由で、行動に起こした時点で咎めるべきなのでは?とか色々考えてたから、そこをキッパリ言い切ってくれたのはかなり救われた。
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