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春に散るのmuraのレビュー・感想・評価

春に散る(2023年製作の映画)
4.0
一部の撮影が行われたとのことで、地元で少し話題に。地元出身の瀬々敬久が監督をつとめていることもあって。

途中、主人公・広岡(佐藤浩市)とその姪・佳菜子の生家の住所が馴染みのあるところ(母親の実家のそば!)で、ちょっと興奮 笑

アメリカで成功していた広岡がもどってきた。広岡はもともと有名なボクサーであったが、試合における理不尽な仕打ちに嫌気がさし、やめた過去をもつ。もどってきた広岡は、かつての仲間を訪ねてまわり、関係を取りもどそうとする。そうしたとき、翔吾という若いボクサーと出会う。翔吾は広岡の指導を仰ぐようになり、才能を発揮しはじめる。そして東洋太平洋チャンピオン、さらに世界チャンピオンとの対戦の話が持ちあがる…

トントン拍子に進む。苦労も挫折もほとんど描かれない。あっという間に世界戦へとたどり着く。だから広岡や翔吾、またかつての盟友の佐瀬健や次郎の苦悩といったものがあまり伝わらない。ボクシングの醍醐味を第一に伝えたいというのなら、サブキャラクターの背景に興味がわくような、いわば「寄り道」のような話は避けてもいいのではと思ったけれど…

それでも、ボクシングの醍醐味という点では結構満足できた。役者のボクシングに対するこだわりがそう思わせるのか。横浜流星は過酷なトレーニングに臨んだようだし、世界チャンピオンの中西を演じた窪田正孝はもともとボクシングに取り組んでいるんだろうし。ボクシングシーンにはなかなか魅せられた。

まぁ、ボクシング映画は結局はそこが評価の分かれ目なのかなと。

原作が沢木耕太郎ということもあるか、『あしたのジョー』を強く感じた 笑
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