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シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~のmuraのレビュー・感想・評価

4.0
福岡に住んでいたこともあって、20代前半は福岡のライブハウスにちょこちょこと行っていた。福岡のバンドには、独特のこだわりがあるなと素人ながらに感じていて、それが魅力的だった。その伝統を生みだしたのがサンハウスや鮎川誠あたりであることはタイムリーではないにしても聞いていて、そういった香ばしい記憶がこの映画を見たいとの思いにつながった。

まぁ、いわゆるノスタルジアを味わいたかったということかな。

年初のこと、鮎川誠が死んだ。少しまえにはシーナが死んだ。鮎川誠の人生と、シーナや家族との関係を追ったドキュメンタリー。

映画としていい出来だとは思えなかった。でも面白く見た。それも僕自身の個人的な経験によるものなんだろうけれど。身近に思えたということで。

ヒロトが饒舌でちょっと驚く。そして言葉が結構響く。「(鮎川誠が)いなくなったことは大したことではない。いたことがずごいんだ」なんて言葉はとくに。これを引き出しただけでもこの映画には価値があるのかも。

あと、余命宣告を受けた鮎川誠がいう。「しよんなかたい」。これまでやってきたことによほどの自信がないかぎりはこうは言えないなと。羨ましく思った。

で、何度も登場する若戸大橋。あの橋には確かに癒される。
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