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梟ーフクロウーのBATIのレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
3.4
劇伴がメチャクチャにハンス・ジマーで終始笑ってしまいあまり没入できなかった。エンドロールは韓国映画よくあるウェットなテーマで、全編こんな感じの方がよかったんでは...。思ってたよりスケールとエンターテイメントさが前に出ていて想像と期待していたストイックさと渋さはなかった。蕎麦食べたくて蕎麦屋入ったつもりなのに特大ミートボール入りナポリタン出てきたみたいな感覚。映画自体は楽しんだ。

盲目ゆえに「見えてしまう」および「見てしまった」者と、存在しないものが「在る」と疑念に駆られた者との物語なんだけど、ポリティカルな構造と利権にやむやく預かろうとしてしまう主人公の話としては韓国映画にしてはあんまり上手くないと感じてしまった。劇伴がハンスジマー的な打楽器と上層音は同じ旋律だが低音は移動し続けるあるいはその逆をド派手にぶちかまし続けるのだけど、それなかったら印象は変わるんだろうか。でもラストの落としどころとか含めてあんまり上手くいってないもいうか「撮れていない」感じがするんだよな。「視る」ということがテーマの割にはショットに力がない。あと、この設定でやるなら照明設計が雑だなぁと感じてしまった。見やすさを前に出しすぎた。

「見えない方がよい」のレイヤーが二重三重に敷かれているのは面白い。一瞬「X(Twitter)のこと?」とか思ってしまった。
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