良かったとこ1 資料性が高い
香港映画の黄金期を支えたスタントマンたちがまだ存命なうちにインタビューしたのが貴重。有名なスタントシーンについて本人の解説つきで彼らがどの代役をやっているかも指摘してくれていて、映像資料としても勉強になる。ジャッキー・スタントチームにいたマースがかなり長めに喋るので、「プロジェクトA」や「ポリスストーリー」の裏話が聞けるのも良かった。
良かったとこ2 スタント名場面集がそのまま歴史になっている
インタビュー以外は過去の香港アクション映画の名場面集で、権利関係とか気にしてなさそうなレベルの大盤振る舞い。前半45分は時系列的に作品が並べられるので、カンフー映画がどのようにアクションが進化させてきたかも一目瞭然。さらに、「ローテク」と自認していた彼らの撮影現場が、現在ではどのようになったかを見ると、彼らのたくましさも分かる。
ダメだったとこ 中盤から20分ぐらい停滞する
45分ぐらいで香港映画の歴史紹介にひと段落がついてから、懐古趣味的な発言が20分ぐらい続き、ここで映画のテンポが落ちている。元スタントマンたちにしかインタビューしていないので、仕事が減った90年代から現在までの30年間がほとんど抜け落ちた挙句に、次世代への希望のような話に繋がってしまう。この時間帯は懐古趣味が強すぎる。
