へたれ

哀れなるものたちのへたれのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.4
良かったとこ1 プロダクションデザイン
ローアングルと魚眼レンズ多用といういつもの撮影スタイルに応えるように、全編スタジオで撮っていると思しきぶっ飛んだプロダクションセットが面白かった。
リスボンの風景などは、昔のテリー・ギリアムの映画に近い。

良かったとこ2 ウィリアム・デフォーのメイク
ウィリアム・デフォーの役どころが、自分がフランケンシュタイン博士であると同時に作成されたクリーチャーでもあるというような設定で、それをメイクだけで体現しているのが良かった。

ダメだったとこ 冗長なストーリー
この映画を一言で言うと「性欲にまみれたピノキオことエマ・ストーンが、旅を通じて啓発を受け、女性の自立を主張するようになる」という話なので、その内容にしては140分という尺は長すぎ。
具体的には、船のシーンで老婆と黒人というビクトリア時代の社会的マイノリティたちから啓発を受ける一連のポリコレ的な流れがその後のストーリーにうまく繋がっていないことと、パリに行ってからの娼館のシーンも繰り返しが多い割に主人公の変化が見えにくいので、作劇上の効果が薄かった。
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