へたれ

ダム・マネー ウォール街を狙え!のへたれのレビュー・感想・評価

3.1
良かったとこ 何気に豪華な配役
俳優のアンサンブルにハズレがなかったので、群像劇としてどの場面も会話の応酬が楽しめた。
ポール・ダノが珍しく腹黒くない役をやっているのが貴重。個人投資家側にアメリカ・フェレーラやアンソニー・ラモスといった実力ある人が配役されていて、キャスティングがうまかった。セス・ローゲンは、必ずしも得意分野の演技ではないけれど、公聴会の慌ててぶりは良かった。

ダメだったとこ 方向性と盛り上がりに欠ける
「マネーショート」と似たようなテンポで進み、所々では「ソーシャルネットワーク」を意識したような人間ドラマにしようとしている(トレント・レズナー風のピアノ曲も出てくる)が、映画の方向性が定まらないのでどっちつかずになってしまい、盛り上がりに欠ける。
事件から中途半端な時期に映画化してしまったせいで、あの事件を批評的に扱うわけでもなく、かといって事実を淡々と描くと話が盛り上がらないというジレンマに陥っているように見えた。
へたれ

へたれ