へたれ

ゴッドランド/GODLANDのへたれのレビュー・感想・評価

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)
3.1
良かったとこ1 情景の美しさ
アイスランドの大自然の広さに反して画面はアカデミーサイズなので、写真立てに入った写真が動いているような映像が楽しめる。特に印象的だったのは、火山ではなく雨。アイスランド語では雨に関する単語がどれほどあるかという説明が序盤にされているとおりに、雨や霧が終始寒々しい。

良かったとこ2 エリオット・クロセット・ホーヴのイヤミな演技
主人公本人が自覚していないインテリっぽいイヤミさを、セリフにあまり頼らずに表現しているのが良かった。ギョロ目っぽい表情が常に心ここにあらずで故郷に帰りたい感を存分に出していた。

ダメだったとこ 物語的展開がほとんどない
この映画の中心は司祭ルーカスとアイスランド人ラグナルの確執であるものの、この2人は最初から常に対立していて、劇中で人間関係の発展が見られない。この映画で描かれている布教活動は、植民地主義を土台とした同化政策のようなもので、主人公ルーカスも最初からやらされ仕事に付き合っている状態からほとんど変わらない。2時間半もあるフィクションなのだから、せめてルーカスが信仰と厳しい現実の間で悩むとか、そういう物語的な展開がないと、単に大自然がキレイなだけの映画で終わってしまう。
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