パオロの元に駆け込むジェンマまでの一連がドラマティックだなぁ、なんて思いながら観ていたせいか、くっついたり別れたり、こんがらがっていく関係にちょっと疲れてしまった(笑)
16歳で母親を亡くし、無理矢理ナポリに行くことになったジェンマがモテるタイプの女性だったというのが、パオロにとっても厄介だったなと思った。愛が何か分からないと言いながら、何度も口にする「愛してる」の言葉。ジェンマにとっては、寂しさを埋めるための言葉だったように思えた。
そのジェンマの視線を振り切れなかったジュリオ。友情より恋が勝る瞬間があり、そして恋よりも仕事が勝る時がある···大人になることの変化を最も体現していた人物かなと思った。
パオロとジェンマの恋愛とは別なところで、リカルドもまたバタバタとしていて。結婚生活には向かなかったリカルドだけれど、リカルドがいたから、4人が繋がれていた部分はあるような感じがした。最も友情を信じていた人じゃないかなと思う。
出逢ってから40年。仲が良い時もあれば喧嘩する時もあって、音信不通な時もある。でも40年のうちの1週間なんてどうってことないように、顔を合わせれば時間なんて吹っ飛んで、乾杯出来たりするもので。そう、離ればなれになっても大丈夫な関係はある。人生の悲喜交交がギュッと凝縮された映画だった。
#1_2023
