味噌のカツオ

オットーという男の味噌のカツオのネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2016年末に日本公開されたスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のリメイク。
あらすじを見ると、ほぼほぼ そのまんまのリメイクのようで。そちらは知らないままに見てきましたが。

事前の印象として、この手の作品は 日本の年配のお客様にウケそうだよねと思いつつ。
劇場に入ったら半分ぐらい席は埋まっていたのですが、ほぼほぼ予想通りの客層で。

実際に映画を見た印象も、これは日本向きの作品だなと。
ストーリーに小難しいトラップはなく そのまま受け止めて楽しめますし。エンディングの優しい歌声も そんな風に感じられました。ロングヒットするといいですね。

反面、小難しいのはトム・ハンクス演じる主人公の“OTTO”オットー。
ルールを守らないもの、自身の考えにそぐわないものには 一言物申すという男。

妻を亡くして一人暮らし。そして会社も退職し、今の願いは最愛の妻の元へ逝くことで。
何度も自死を試みますが、幸か不幸か いずれも上手くいかず。

やがて向かいに引っ越してきたメキシコ人の家族。関係が上手くいっていなかったご近所さん。そして雪の中に埋もれていた野良猫らと関わる中で徐々に意識が変化。
中でもある種の決定打となったのは、チラシ配りをする一人の若者。

自身は同性愛者であり 親からも見放された存在だったが、教師であったオットーの妻ソーニャは、そんな彼を受け入れてくれたんだと。
まさにオットーの知らなかった妻の一面に触れることは、大きなきっかけだったんじゃないかな。
それに彼が訪問してきたことで“命拾い”もしていたしね。

映画の展開として要所要所でオットーとソーニャの馴れ初めが回想シーンとして描かれます。
そのうえで、お向かいのお節介なマリソルの問いかけに応じるように、胸の中に閉じていた想いを吐露していくわけですが。

そのエピソードの中で、若き日のオットーは軍隊に入って給料を得ようとしていたが、心臓の肥大という病がわかり入隊を断られるというくだりがありました。
それを見て思い出したのが、わたくしも一年前の健康診断で同様のことを告げられておりまして。

そういう意味では 事と次第によってはシャレにならんぞと。何とか健康であってくれと気が気じゃなかったのですが。
そこのところは なんとか、晩年までいっぱしの生活はできるようなので、ちょっと安心しつつ。

また そのオットーの青年期を演じたのは、やはり実際のトム・ハンクスのご子息だそうで。
オープニングのクレジットでトムとは別に“ハンクス”という名前が出てきたので「もしや」と思ったんだけど。

邦題の「オットーという男」は“おっとーというおっとーこ”というダジャレ狙いなのかと思いましたが。
原題が「A Man Called Otto」とのことなので、意外と普通に訳した感じだったのね。

それから、町内でうろつく猫ちゃん。途中「死んじゃった!?」と思わせる場面もありましたが、無事に生還して、しっかりとカワイイ姿が見られたので。
猫好きも楽しめるんじゃ…爪が引っかかってズルズルなるシーンもあったけどね。
味噌のカツオ

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