典型的なイイ話でまとまってはいるんだけど、でもやっぱり、シンプルに良い映画だったなぁと思う。
融通の利かない超堅物であるオットー。でも、見過ごせないというその性格は、マリソルと同じくらいお節介で、優しくもあったなと思う。
そもそも、がみがみルールに厳しくて嫌がられてても、オットーに挨拶する人も助けを求める人もいるんだから、心底の嫌われ者ではないんだろうなと思ったし、それよりもあの工場の人たちの方が、嫌ぁな感じだったわ。
マリソルの図々しいぐらいにグイグイくる感じは、ご近所さんならちょっと嫌だなとは思ったけれど(笑)、妻のソーニャを亡くして、生きる気力も無くしたオットーにとっては、エネルギッシュなマリソルは丁度良い相手だったんだろうなと思った。
早くソーニャの元に逝きたいと願い行動するオットーを、知らず知らず全力で邪魔してくるんだから、マリソルナイスだったよ(笑)
ソーニャとの想い出の中にだけ居て、逝くことだけを望んでいたオットーが少しずつ変わっていき、心も生活も賑やかになっていく様は、ベタだけどやっぱり、感動的だった。
#27_2023