なつ子

ゴジラ-1.0のなつ子のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます



どこから話そう、何から話そう。
手に汗握るとはこのこと、握り締めたハンカチは涙と汗でしわくちゃになっていた。
今観終わったのにもうまた観たいと思う。
観終わった後、ホームページのゼロからマイナスへの文字の意味がわかって今もまだ浮かれている。

ゴジラに限らず、大型の存在って足元に目もくれず蹂躙するイメージだったのに、この作品のゴジラはめちゃくちゃ人を認識している。ゴジラと対峙する瞬間は映画館で観れて良かったと喜びと恐ろしさの反復横跳びだった。
日本兵とゴジラのそのミスマッチさに笑っていたのも束の間、突如はじまったジュラシックパークに恐ろしさで泣いた。頭だけつまんだ後ぽいしてるから、捕食とかでは無いんだと余計に怖かった。なら何の為に人間を攻撃していたのかはわからなかった。

人に当たらないとやっていけない気持ちも勿論わかる。仲間が全滅したのも、子供達がみんな死んでしまったのも。誰かの所為にしないとやっていけない状況で、敷島がちょっと撃ったところで結果は変わらなかったことを橘さんもわかっていたと思う。

最近面白いと思った邦画に安藤サクラが出ている。彼女の存在が良い味を出していた。

転がり込んで来た典子とアキコと3人の歪な疑似家族。家庭と見紛うほどに家族なのに、心に傷を負った人たちの集まりというのが切なくて、まだ僕の戦争が終わってないという言葉が切なかった。
最後までアキコがにこりともしなくてそれがちょっと気になってしまったけど、孤児らしさみたいなのもあったと思う。
あんな小さい子、良く良い子にお芝居出来たな。3人ともこれから幸せになって欲しい。

戦闘機も軍艦も復興の最中にある日本も全てが良かった。全てに生活を感じたし、リアリティがあった。もう一度あの世界に浸りたい。

千切られた列車にしがみつく典子のシーン、大迫力大盛り上がりでアトラクションかと思った。
助けに来た敷島を押し退けて凄まじい爆風に飲み込まれながらも生きながらえた彼女の運の良さと生命力には感嘆するばかり。(追記:他の方のレビューを見る限り、どうやらそういうことではないらしい)
死体の確認がなかったので都内の病院に搬送され、意識不明か一時的な記憶喪失とかになっていると思っていた。
電報が届いた時に敷島が生還するフラグか、すれ違いバッドエンドのどっちだこれっていうどきどきがあった。
あぁずっと人間模様が美しかった。
敷島という男、硬派でかなり好きだった。苦しむ様、夢を見てしまったと後悔する様、覚悟を決める様、今度こそ生きていくのだと彼の今後の人生を見たいと思った。

リポーターたち、あんな近くで実況してたら死んじゃうでしょ!と思ったらみんな恐ろしい終わりを迎えていた。怖過ぎてちびる。
電車から落ちそうになるところとか、ここのシーンでめちゃくちゃゴジラザライドみたい!って思ったけど、山崎監督があれの監修をしていたんだね。
MEGザモンスターみたいな描写も恐怖を煽られて大変良かったし、他の方のレビューにもあったけど、主人公の特攻でアニゴジを思い出して見返したくなった。

水島がみんなに可愛がられ戦争なんて知らなくて良いんだよとよちよちされているのが良かった。頭下げて俺も乗せてください!って叫んでるところでも泣いてしまった。
最後に船乗って現れた時に、なんかひと仕事して死ぬんだこの子と思ってしまった。
敷島も死ななかったし、この作品は大筋で見ればハッピーエンド系の作品だった。
けど、あれだけゴジラに近付いてみんなもれなく被爆してそう。
典子の首の痣も眼帯の下も不穏さを残していて、万々歳という感じではないらしい。ゴジラも再生していたし、続編期待して良いのかな?

そこかしこで泣いて鼻水出そうだった。
映像も音も迫力があって素晴らしく楽しかったな。仕事で疲弊していたけど元気になった。映画は健康に良い!

ここを引いたら脱出出来るよって教えて、いざ脱出なんて出来ずそのまま死ぬ最悪の妄想をして2度楽しんだ。私の中で。
楽しくて苦しい。
観に行って良かった!


でもひとつ、通知音鳴らしたりTwitter見てた男、お前は許さないからな。
すすり泣いてたけど、ルールを守れない奴が感動を享受してることを許せない(過激派)。
なつ子

なつ子