なつ子

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のなつ子のネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます



ゲゲゲの鬼太郎についてキャラクターを知っている程度の知識しかなかったけれど、好きな要素が詰まっていると聞いて観に行った。

先日観たゴジラでも思ったが戦後の感じがなんとも良く、水木のような男も結構好きだった。
前のめりにならなかったのは、子供の頃見たことのあるキャラクターと現実感のある人間模様が自分の中で上手く咀嚼出来なかったからだと思う。個の場面や設定は面白かった。
エンドロールすらも後日談に割いて、タイトルをばーんと打ち出してぽいと劇場から放り出されるような感じで笑ってしまった。

死に方のバリエーションが豊富で大変満足した。どこが面白かったか?と聞かれたら、真っ先にそこを挙げる。
どの死に方も扇状的で興奮した。
高所で美しく仰け反るシルエットも、首落とされて飾られてる様も(一瞬なのでちゃんと見たかった)、特にパイプが頭から貫いて目玉が飛び出すところが大変良かった。あの描写はアニメならではだよね。
1人がファンに巻き込まれて死んだことでパイプが壊れて最悪のデスピタゴラスイッチになってて手を叩いて喜んだ。

長田さんと奥様の関係性を教えて…、個々への関心は無いけど、関係性に関心を持った。

冒頭に列車に乗っていた、気が付いたらいなくなっていた母子と思しき人型の何かがベッドに拘束されており、やりきれなかった。
このシーンを見てはじめて、水木にはこの母子が見えていなかったのかなと思った。
母子には何もあの煙たい列車で最悪の土地へ向かわなくても……と同情した。

子供の体に老人の魂が収まってるの、シンプルに醜悪で最悪だった。
ただでさえ老人が若い女の子を搾取してたのおぇって感じだったのに。
若き少女が自分を恥じる必要も苦しむ必要も無かったのに、行った非道に対してちゃんと罰を与えられていて救われなかった。少年が永らく独り取り残されていたのも、弟を持つ身としては苦しかった。
最後にはちゃんと一族全てが滅んでそうで良かった。

ゲゲゲの鬼太郎について詳しくないので、他の人の感想を読んではなるほどなと思ってる。
当たり前だけど、ちゃんとファンが観に行ったら100点の作品なんだと思う。
バトルシーンはどこをとっても躍動感があって見入ってしまった。
あとは、早々に目をかっぴらいて倒れてた水木がなんだか滑稽で愛しかった。

関係ないけど555の予告が流れて最初からクライマックスだった。
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