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ゴジラ-1.0のruublueのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5
映画館で観る人生初ゴジラ。
そんな私にもこれが無慈悲極まり無い破壊獣ゴジラなのか!と大いに腹落ちしました。

逃げ惑う人から目線で撮られたゴジラの大立ち回りによって破壊されるあらゆる物が一定の方向性を持って爆裂しながら迫り来る様には誰しも目を奪われる!

空に飛んではならないあらゆるものが予想外のタイミングでぶん投げられ、速度、飛距離に思わずゾッとする。丹念に作り込まれたであろう破壊の場面が爽快なほど美しい(言い方、、)



ストーリー面にほんの少し触れると「この国は命を粗末にして来たんです」例えばそんなセリフが投げかけられる。今を生きる視聴側との意識下での問答が繰り広げられる様な125分間。殆どのセリフが立ってます。


-ここから先はゴジラ〜
山崎監督作品いくつかへの感想です-

今作ゴジラには、山崎監督のこれまでの映画「アルキメデスの大戦」で感じたカミソリの上を歩くような緊迫感が有る。

「永遠のゼロ」決意に満ちた人の表情を再度振り返るシーンも有る。

一つ一つのシーンが監督の手掛けたこれまでの映画の名場面を彷彿させてくれる巧妙な作りになってると感じた。一つの映画を観ながらまるで過去作をも同時に巡るかの様な、、、。

(話が少し逸れますが) 海外の映画の作りを見ていると同じ作品を同じ監督がブラッシュアップしながら長年作り続けるということがある様です。そんな作り方に寄せると言うか、VFX技術をブラッシュアップさせながら昭和の時代を何度も描いて行く手法を用いて、混沌とした戦後時代、心身ともに計り知れない傷を負った当時の庶民へ、令和の今の時代から送る温かな目線も感じられグッと来ました。


映画が終わるエンドロール、最後の最後まで手抜かりのない演出もニクい。
灯りが付いて離席する時にどなたかが思わず言われた「面白かった!」激しく同意でしたね。拍手したい気持ちをグッと堪える様な久しぶりに映画らしい映画でした。

永遠のゼロ、アルキメデスの大戦と海を舞台に船や飛行機の迫力ある動きを魅せてくれた山崎監督のVFX映画の最高峰だと思います。集大成とも言えるでしょうか。満足度高し⭐️⭐️⭐️⭐️➕






-ひとりごと 備忘録-

山崎監督の映画というとalways三丁目の夕日2005〜2012年、永遠のゼロ2013年、寄生獣2014年、DESTINY2017年、アルキメデスの大戦2019年とこれまでに引き寄せられるように観た数々の作品を思い出す。

出演者の一人、吉岡秀隆が今作で科学者として起用されてる事を見て微笑ましいものを感じた。

alwaysでは売れない小説家、コトー先生を経て今作では腕をもがれた様な終戦後の時代に科学者として力説奮闘する役どころ。

ある時は昭和60年代を舞台に、今作では終戦後を舞台に、時代設定を変えて同じ役者に語らせるメッセージはと言うと。今のみんなが聴きたい魂の声、必聴の言葉の数々が沁みる。


山崎監督が今作りたい、皆に届けたいメッセージ。役者さんと制作側の長年の信頼関係があってこそ真に迫った名場面が生まれる事がわかる映画でもあります。日本人らしい泥臭さ、好きです。
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