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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のruublueのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

恋愛映画?10代〜20代向けなのかな?
最初にポスターを見た時の感想。
いやちょっと待って、、。
予告編の「生き恥ってなんですか?」
この映画ひょっとして。。


(見る)と(観る)では大違いの映画でした。「生き恥」の他にも連綿と続く台詞のやり取り。戦中〜終戦前にタイムスリップしてしまった現代っ子の純粋な疑問が当時の人々には言葉の刃の様に深く切り込む様を丁寧に描いてある。この映画の見どころと感じました。

同じ国の同世代の若者同士、但し時が違うとまるで異国の人と話す様に噛み合う事がない。このシーンは記憶にツメ跡を残してくれる名場面ですね。



ツメ跡の理由は、もし映画の様にタイムスリップ出来るものなら若者だけでなく、今を生きる全ての人が当時の日本人、、祖父や祖母、或いは上の世代に直接問うてみたい言葉の数々だと思うからです。

戦争の時代を経験された方々が少なくなり、体験を語ってくれた明治、大正、昭和初期の方々が居なくなる。当時の人々はどんな思いであの過酷な時代を生きて来られたのか。

今は亡き祖父祖母が話してくれた(子供が聴いてもショックを受けない範囲)での実体験から想像する当時の空気が劇中を通してもう一度、胸に迫ってくる様だった。



映画の中盤から涙が勝手に流れ、肩の震えを必死で抑える位だった。あちこちで鼻をすする様な、抑えた慟哭の様な泣き声も聞こえる。

若い方達が沢山観に来られていた。驚いたことに最も泣いているのは若い方々だった。横の席に居られた10代後半の女子は映画が終わって灯りがついた後しばらく顔を押さえたまま席を立てなかった。


79年前、こういう時代があった。
今の時代は普通にご飯を食べて眠って、朝が来て起き、学校や仕事に行く。そんな普通がどれほど愛おしい日々なのかを過ぎ去った時代が教えてくれる。2024年、観て良かった映画の最初を飾る映画となりました。

戦中、終戦を描いた映画は多いですが、涙のあと、過去の方々からの思いを受けた今を大切に生きて行かないとと素直に思える清らかな映画です。

最後に、紅白で聴いた福山さんの最新曲「想望」命をテーマにしたこの曲の意味するところ。答え合わせが出来るエンディングになっていてパーフェクト映画でした。


🔹追記 (2回目) 2024年2月2日(金)
この映画について話していたら会社の人3人で観に行く事に。三者三様、観るポイントがそれぞれ違って、1回目では気づけなかった(語られない)サイドストーリーを知る事が出来ました。

存在感薄い百合の父、批判の矛先ともなりがちだった父の取った行動でしたが、タイムスリップ先で百合も父と同じ行動をするシーンがあります。ストーリー全般にグッと深みを増すサイドストーリーでした。

映画に行く習慣のない方から言わせると「泣かせに来る映画ってちょっとなぁ、、、。」でしたが映画が終わってみるとみんな目がウルウルに🥺
やはり映画に誘うのは良いもんですね。😊✌️
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