まさき

ゴジラ-1.0のまさきのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

ダメだったな。

自分は初めから物語のデフォルメが前提のアニメや、茶番を前提とした翔んで埼玉みたいな作品は素直に観れるのだけど、こういう真面目そうな作品で登場人物が話の道具になってるものは白けてしまって面白くない。嘘くさい。

老若男女どんな人でも分かり安いドラマ、途中悲しくても最後には無理くりでもハッピーなエンディング。大衆が喜ぶ記号を詰め込む作風なんだろうけど、嘘くさいハリボテのようなドラマにしか見えなくて興醒めだった。近所のおばさんのツンデレ、急に生きろって言い出す整備士、絶対死んだけど全然生きてたヒロイン、死ぬ気満々だったはずが脱出できると聞いて素直に脱出する主人公。適度に暴れて最終的に退治されるためだけに存在するゴジラ。

オバさんと整備士は最後まで主人公にちゃんと死ねっと言い続けて、あの孤児と主人公に良いエピソード作って主人公に明確な生きる意志を見出させて、オバさんと整備士に生きなきゃいけないことを言い放って納得させるシーンがほしかった。ゴジラも単なる災害の象徴なら最後まで殺せない存在であってほしいし、殺せる動物ならば人間に攻撃されても生きるために人里に行かなければいけない動物の事情がほしかった。ヒロインは流石に死んでてほしかった。あれだけ態とらしく死んだのに。突き飛ばさないで一緒に倒れたら良かったじゃん。押す力より体重を利用した方が自分より体重ある人間を動かすには理に適ってる。


ジュラシックパークやジョーズのオマージュも、ゴジラをTレックスやジョーズのスケールに縮めてたと思う。倒し方までジョーズにしちゃうのは特に良くない。

科学作戦はシンゴジラみたいに上手くいけばカッコよくて、大勢が力を合わせた価値を感じられるんだけど、本作みたいに失敗すると単なる間抜けな机上の空論になってしまう。最終的な勝ち方も最初に機雷でダメージ与えたのと同じで、より強い爆弾を口に入れれば勝てるっていう単純な話になってしまった。最後にゴジラがまた再生して復活する暗示が入るのも陳腐さに拍車をかけた。

平成VSシリーズのオマージュで真っ向から怪獣プロレスをやったゴジラ キングオブモンスターズの方が自分は好みだな。
まさき

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