まさき

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのまさきのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

最高だった。

シリーズ最後の作品にして監督がスピルバーグからマンゴールドへ交代したけれど、マンゴールドは見事にインディジョーンズを継承し最高のフィナーレへと導いてくれた。ありがとう!ジェームズ・マンゴールド。

物語は第二次世界大戦中から始まる。やはり、インディの敵はナチス!そして、今回のお宝はアルキメデスのダイヤル(アンティキティラ)!時間の狭間を見つけることができるという毎度お馴染みトンデモなアーティファクトだ!いつものようにナチス兵に変装したインディはいつものようにバレて捕まっている。顔に被されていた袋を取られると若き日のインディが姿を表す。そして、縛り首の状態で尋問されるインディのいる建物へ空襲の爆弾が降ってきて大爆発!そのドサクサで逃げ出し、ダイヤルを巡って走る列車上での攻防戦が始まり、今回の宿敵マッツ・ミケルセン扮するユルゲン・フォラー博士登場。この時点では学者然とした文人であり、なんだか可愛げのある萌えキャラ。インディは盟友バジルの助けも借りなんとかナチスとフォラーの手からダイヤルを守り切る。これが今回のオープニング。最後の聖戦オマージュなのか列車スタートとなった。

この後、時間は一気に進み1969年。アポロの月面着陸を祝うパレードが街では行われている。長らく冒険から遠のき、大学も今日で退職という老インディは近所の学生が爆音で流すビートルズの『マジカル・ミステリー・ツアー』で叩き起こされる。

やばい、頭から終わりまで全部書いてしまいそうだ。

この後、クリスタルスカルで出てきたインディの息子が戦争で死んだという朗報と共にインディが名付け親という娘ポジションで盟友バジルの娘ヘレナ・ショーが登場。このヘレナがなかなか良い塩梅。セクシーのない峰不二子みたいなキャラクター。初っ端から名付け親のインディを出し抜いてお宝を奪い、インディと自分の父親が命懸けで守ったアルキメデスのダイヤルを闇オークションで売っぱらおうとする。

他に、魔宮の伝説のショート・ラウンド的な立ち位置でスリの少年テディも仲間に加わり、ニューヨークから始まった冒険はモロッコ、ギリシャ、シチリア島と飛び回る。ニューヨークの街中、地下鉄でのチェイス、モロッコ迷宮都市でのチェイス、ギリシャで水中探索から船上での駆け引き、シチリア島で遺跡探索、そして、空中戦。最後は時空を越える。盛りだくさん。

最後、古代ローマ時代から戻りたくないと涙を浮かべて訴えるインディの姿に目頭が熱くなった。古代に思いを馳せて生涯を捧げてきた考古学者として、堪らないものがあったのだろう。正直、インディが何を専門として研究してきた学者なのか知らないけど、古代ローマやアルキメデスだったなら、そりゃあ、もう帰りたくないだろう。父親のヘンリージョーンズは聖杯だったよね。なんらかの欲に一時的に目が眩むのもインディジョーンズって感じ。決心の固いインディはヘレナに殴り倒され気絶して現代に連れ戻される。

自分の部屋で目が覚めたインディの元に息子の死後から別居していた妻マリオンが現れる。久しぶりに再会した2人、時を超える大冒険と銃で撃たれた傷もあり満身創痍のインディを気遣うマリオン。「肘は痛くない」と失われたアークの名場面を再現するキスシーンで物語に幕が閉じる。

近くの席にいた子供客が大喜びで拍手していた。おっさんも君と同じ気持ちだよ。最高だ。涙出たわ。



欲を言えば、終盤のフォラー博士が急にIQ下がるけどインディジョーンズの悪役アルアルなのでそこも忠実にオマージュしたのかな?そこは最後まで周到で侮れない悪役でも良かった気がする。そこがちょっと惜しい感じ。でも、まったく武闘派じゃないオシャレな学者マッツは良いキャラだった。
まさき

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