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怪物のchaiksのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.0
「明日がヨリ良くありますように」

映画や小説に舞台音楽絵画などアート作品は
「主観でとらえてOKな心から自由な世界」
様々な意見があっていいし
枠も正解もいらないと再認識した作品
反面、この制作側は準備も葛藤もアフターフォローも含め様々な専門家を交え細やかな配慮や対応策を講じており、公開後も覚悟があることを知る
そこにはより良くと願う真摯な姿勢を感じた

観終わって残ったのは
「個々人の一方的な見方や受けた痛みにより、誰かを傷つけてしまいがちな「人間の愚かさ」」
これまで幾度傷つき怒り泣き叫び訴え諦め
そして許してきたことだろう
だからこそそちら側に行かないよう用心したが
人は皆愚かだ
私の脳は私の脳で貴方の脳にはなれない

怪物だ〜れだ?というカードゲーム
見えない自分を「相手のヒント」で当てる
象徴的でカードイラストも含め大好きなシーン
人は生涯これを繰り返し自らの姿に気づいていく
その相手は人だったり境遇や作品だったりするが
そこには厳しく辛いヒントも
優しく嬉しいヒントも
思い違いや思い込みの誤ヒントも
沢山散りばめられておりその成長をゆっくり支える
何より大事なのは
そこには視点の違う存在が必要だということ

人は愚かでしょーもない
傷も痛みも怒りも諦めも無数に抱えて生きている
けれどあの光と音があるように
その可能性はゼロじゃない
どんな自分をつくり
どんな社会をつくり
愚かさ(🧌)を自覚しどう生きるか
諦めるのもより良くしようとするのも
全ては私達次第だから
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