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月のchaiksのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
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「4%の月光」

「同じ行為はしないし解決じゃない」
狭い視野と経験値のなかで一方的に
意思疎通ができない=心がないと決めつけ
可哀そうだから価値がないからと決めつける
それは私たちが日々さらされている日常でもあり
のど元に様々な問題を突きつけてくる
障がい者、介護に施設、優生思想、震災、宗教、家族
成功と妬み、現実と虚構、嫌悪と愛情等々
安易に答えの出せない世界だからこそ
出来るのは知り考え戒め思いあがらないこと

幼いころ玄関庭先に定期的にやってくる復員者がいた
無言で立ち尽くすのでとても怖かったけど
曾祖母が丁寧におにぎりを握り渡す姿が忘れられない
施設に限らず過酷な労働にかかわる人たちがいる
綺麗事ではなく私は彼らに敬意を表したいし
納税者の一人として
金銭面待遇面でも彼らをより尊重してほしい
他者の思いに寄り添えない人は己にも鈍感
懐を肥やすことに夢中
教育と福祉をないがしろにする国に未来はないから

重度者訪問介護や親子ケアなど
様々な関わりを行っている人々を知る機会があった
この世界は暗闇だけじゃない
数パーセントであれ光も必ず存在する
見ようとすれば見える視野を広げてほしい
誰にでもどんなにささやかでも出来ることはあるから

出産前に我が家でも話し合ったこと
どうするにせよ悩み苦しまない人はいないだろう
その「実経験」はとても重要だ
悲しみも苦しみも喜びもすべてはその人の糧
会えなかった運命も含め
もちろん個人の選択は尊重されるうえで
出生前診断での答えが96%であれば
私は4%の光に目を向けていたい
6263
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