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君は永遠にそいつらより若いのchaiksのレビュー・感想・評価

3.7
「癒し」

何とも言えない気持ちになる
『君は永遠にそいつらより若い』
“慰めの言葉” なのか
“戦いの火ぶたをきる雄叫び” なのか

遥か彼方の大昔
こんな世界にいたこともあったなぁと思い出す
未熟さ、世間知らず、傷つきやすさ、柔らかさ
様々な不安と無防備と暴力性に勢いと後悔に痛み
何者でもなく何にでもなれるような、なれないような
そんな気がしていたあの頃

“友達の彼がそれを選んだと聞いたとき”
私はバスの最後列の長椅子で揺られ戸惑いながら
傷ついている友達になんと言葉をかけただろう?
大昔すぎてなのか
どうしていいか分からない自分が歯がゆすぎてなのか
今では思い出せない
“友達に好意のある先輩から非難されたとき”
そんなつもりが全くなかった私は
先輩の悲しみにどんな反応をしただろう?
大昔すぎてなのか
初めて他人から直球否定され思考停止したからなのか
今では本当に思い出せないのだ
若さって・・・

キャラクターと俳優たち衣装小物に背景のトーンなど
全体が淡くしっくり調和していて違和感がなく美しい
画面上心理上も雑多なようでいて丁寧でかなり好印象

立ち直れないほどの思いを抱えた人を
ほんの少しでも癒すのはやっぱり “人” だ
“時間” はその傷口に少しずつ何層ものベールをかけ
優しく覆っては更に我が身を強く柔軟にしてくれる

彼女は誰かを見ない振りができない人
彼女も誰かを求め続けている人
あの横顔は “理不尽なそいつらへの雄叫び”
叫べ!!!
叫び続けることでみえるものがある
5080
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