ミッキン

ふまじめ通信のミッキンのレビュー・感想・評価

ふまじめ通信(2023年製作の映画)
4.5
赤裸々にプライベートを語ると、ロケ地である和歌山市には3年間住んでいた。加太にも何度か行ったことがある。縁ある人なら誰もが思うだろうが、台詞はあの独特の紀州弁で聞きたかった。苦言を呈したいのはそこくらいかな。

ポッドキャスト『ふまじめ通信』のトークで紡ぐショートストーリーがちょっとづつ絡み合い、登場人物がちょっとづつ繋がっていく展開がいい。特に何か大きな事件が起きる訳でもない。気張らずに生きていける田舎の緩い日常。都会に戻ってきた今、改めて思い返すと和歌山では時間の進み方がゆっくりだった。
自分自身、ちょっとメンタル的にしんどかったこともあり和歌山の山々や海には結構助けられた気がする。久仁子と同じようにYouTubeで動画を参考にしながら釣りにもチャレンジしてみた。色々懐かしい。

全編を通して伝わってくるのは『一歩踏み出してみる』こと。
久仁子がこの街に来たこと、『ふまじめ通信』を初めたこと。ヤっちゃんは彼氏と別れ、ミンミンは社会経験と称してアルバイト。スーパーで働くテルコとナナコの推し活エピソードも然り。タマゴ休憩のくだりも結構深いしジワる。
あとは星を見る会会長、武田役の少女が抜群にいい。三宅朱莉、きっとこの先色んな作品で見かけることになるだろう。

音楽も褒めておこうか。オフビートで丸みのあるアコースティックサウンド。とにかく耳心地よく作品世界にマッチし過ぎている。

悩みすぎるほどマジメな方に是非観てもらいたい。適度な心のデトックスになるはずです。