邦画でここまで見応えあるレースシーンが撮れることに驚き。
洋画の『グランツーリスモ』は予告編でしか観てないけど、こちらは王道的サクセスストーリーで胃もたれせずに楽しめる。
役者の話からしよう。主演の野村周平はオラついたイメージが強く好き嫌いも分かれるけどこういう役は結構ハマる。適度にヒーロー感もあって実によかった。
それ以上に存在感あるのが吉川愛。全てのシーンで役に入り込んでおりお陰でフィクション臭さを全く感じなかった。
The大根役者の陣内孝則も序盤で野村周平を認めない演技はぶっちゃけクソ下手だったが、後半になるとこれも味だと思えるようになった。
ライバル役の青柳翔、太ったせいか少し前のイケメン要素は無くなったが出来るレーサー感は出てた。
そして福山翔太。個人的には『ガチ星』のストイックな競輪選手役の方が好きだが本作では嫌味ある敵役を好演。いい俳優だと思う。
何よりも一番上手かったのは土屋圭市。あれ、台本とは思えないくらい自然なコメントだね。見た目もビートたけしみたいだけど喋りはめちゃ面白かった。
実況の3人も本物のレースシーンのような臨場感あったし、この辺りがフィクションだと思わせない陰の功労者だろう。
スピードを競うレースと違いドラフトは魅せる競技。ちゃんと作れば映画向きな素材。色んなアングルでそれを堪能出来るエンターテインメントな良作。
