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波紋のShokoのネタバレレビュー・内容・結末

波紋(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

〖波紋〗(映画/日本/2023)



『須藤依子(筒井真理子)は、今朝も庭の手入れを欠かさない。“緑命会”という新興宗教を信仰し、日々祈りと勉強会に勤しみながら、ひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫、修(光石研)が突然帰ってくるまでは──』

久しぶりの試写会。フロムFM愛知。
たかえさんのいっそんを一足早く拝んできましたよ。5月26日公開。

すーごい。役者パワーがすごくてあっという間の120分だった。全員えぐい。もうほんとおるわこういう人っていう感じで、内容が内容だけにめーちゃエネルギー使った!
主人公の依子はいきなり夫が失踪し、夫の父親の介護して、夫が帰ってきたと思ったら癌だから助けてとか言うし、息子は九州の大学に行ってそのまま就職してしかも障がい者の恋人連れてきて結婚するとか言い出すし、パート先のスーパーではヤバジジイがすぐキレるし、全員絶対近くにいてほしくない。でも依子がひたすらかわいそうかというとそうでもなく、依子もやばい宗教にハマっててこれはこれで近付きたくない。
でもまあ依子が主人公だから、一応依子の視点で見てるんだけど、周りの勝手な人たちにメンタル削られまくりでつらくて、でもこの手の映画は『嫌』を溜めて溜めて最後にスッキリするやつだ…と思って耐えてたら比較的早めに、というか小出し小出しにスッキリできた。
でも普通にむかつくのでラストはチェーンソー振り回して全員の首を斬って腸を引きずり出したあとに家に火を放つぐらいしても許されたと思う。
これは多分日本の侘び寂びだね(そう?)
たかえさんのいっそん、たかえさんが前に肩幅って言ってたのを鮮明に思い出すぐらいの肩幅だったけど、これは肩幅広いのに加えて顔が小さいよ。唐突なスーツ姿のサービスシーンあり。あとお母さんが最後の方の笑うところで「こいつヤバ」みたいな顔するところが最高だった。
あと新興宗教の仲間たちが本当に新興宗教にいそうな顔してるのめちゃくちゃ面白かった。
そこではないけどお客さんも結構笑うようなシーンもあり、ひたすらしんどいだけではない。

テンポ良くて爆速で話が進むのも気持ちいいし、なかなか面白い映画でした。
なんていうか派手さはないかもしれないけどめちゃくちゃ手間暇かけて撮ってそう。

(75/劇場鑑賞(試写会)38)
↓ここから本音↓
ラストのフラメンコは監督の独りよがりかなって思ったのと、あんなにかんかんに晴れてる日に雨のシーン撮った意味とは?とか、わざわざ喪服2回着替えて雨のフラメンコ撮ったんだよね?あのシーン撮りたさにこの映画撮ったんかなって思った。
あとお父さんのお葬式のとき息子の嫁の障がい者が来なかったのはなんで?子供生まれたばっかりだから?それともそういう女ってこと?
そうね、面白かったんだけど、ラストらへんでなんとなくちょっと盛り下がったかも。
あと今回おかあさんと観たんだけどふたりとも普通に性格が悪いので、障がい者は差別するし、依子の気持ちわかりすぎてなんも責めれなかった。
けどどれだけむかつく人間でもやがて死ぬから直接手を下さなくてよかったね。
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