※Filmarks試写会にて
3.11をどう扱い、どうジョークとの緩急をつけ、そしてコロナ禍以後の世界とどう折り合いをつけて構成していくか。
それらの判断には誠実さを感じる。
一方で、差別的表現や誰しもが抱える本音を、感情の流れるままに肯定する様な点には同意が出来ない。
人は常に正しく生きられる訳ではないが、できる限り正しくあろうと考える姿勢が個々に必要であり、それを窮屈な環境を理由に放棄する事を、こういった多くの人の目に触れる作品で肯定してしまうのは、直情的で危うい世情への扇動になりかねない。
かつてのATG作品の様な空気を持った作品が2023年に現れて嬉しいと思い途中まで観ていたが、これは決して好きとは言えない内容だった。
ラストシーンもキマっていただけに、残念。