スカポンタンバイク

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ないのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

4.1
レンタルが来たので鑑賞。
いやぁ、良かったですね。
このテレビスペシャル感を映画館で1900円払って観るとなると首を傾げるものはあるが、作品としては面白かった。
前作「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」はSF要素がうるさい上に、それがかなりズルい展開に利用されていたのが物凄く鼻についた。
それに対して今作はSFが全くない、普通の高校受験もの、不登校生徒の復帰ものとしてちゃんと面白かったのがとても良かった。
TVシリーズはリアタイで追っていたのだが、花楓編の人格戻った件が丸投げだったのが、ちゃんと回収されたのは良かった。かえでから花楓に戻った彼女の選択を描く今作は、子供の頃の自分を見つめ直し「自分はどうありたいのか」という学生の等身大の悩みを丁寧に描いて、それを実現する上での彼女固有の不登校問題は現代においてどう攻略していけるのかという進路指導要素がちゃんと入ってるのが良かった。一方で、誰もが望む「かえで」という造型に「あるべきだ」と自縛してしまう苦悩もあり、本当に話せば話すほどちゃんとした映画だったなぁと思う。

ただ、今作に限らず、このシリーズの「続編に続く」的に、その場では意味不明な要素をポイポイ入れてくるのは、TVシリーズの頃から好ましくは思えない。特に今作は、その要素を削って60分以内に仕上げてくれれば、特別料金で観せれたじゃん!と、どうしても鑑賞料金の高騰もあり、そこがチラついて仕方ない。
まぁ、お金の件と映画自体の良し悪しは別なので、評価とはそんな関係のない話ではありますが、個人的にはこれくらいのサイズだったらTVでかけてくれて良いのにとは思いましたね。