茶一郎

君たちはどう生きるかの茶一郎のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.1
 悪夢に迷い込んだような居心地の悪さ。『崖の上のポニョ』はまだ手加減をしてくれていたと思うほどに尖った脂っこい映像の連発と同時に、次世代への継承、宮“﨑”駿としての再出発を一本の映画でやってのけた怪作。
 『風立ちぬ』に続く、アニメーション作家(飛行機設計士)になる前の自伝的映画という位置付けの作品になるが、そこに『怪物はささやく』さらに『8 1/2』が合流してくる。もちろん「失われたものたちの本」、小説「君たちはどう生きるか」のエッセンスも。

 何よりこの時代に前情報ナシで映画を観るという体験自体が本当に貴重で、スリリングな映画体験でした。製作委員会方式ではない、ジブリブランドを最大限に有効活用した「宣伝をしない宣伝」に感謝。
 
◼︎動画では「三本の原作」「火と母性」「フェデリコ・フェリーニ」という三つのキーワードで整理しました。
https://youtu.be/e6M7H2otWsg
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