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君たちはどう生きるかのsymのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

宝箱の中身をひっくり返したみたいな作品だなと思いました。
これを見て、訳が分からないと言う人が多いのも頷けるような。

ストーリーとしては、コロコロ転換していくので、若干まとまりがない感じもしてしまうのですが、ちゃんと言いたいことは分かりました。多分(え?)。

映像や場面の見せ方などは、これぞジブリという感じで、おおー…!となりました。またこれまでのジブリ作品を思い起こさせるような場面や色づかいが沢山あって、集大成感ありましたね。

現実と非現実が入り組んだ世界。
デタラメに見えて秩序があったり、ほんの少しのバランスで崩壊してしまったり。
人の心の移り変わり、それでも変わらないものだったり。
自らの選択によって未来を選び取っていくことの大切さだったり。
広い世界の中で自分の身をどう置くか、
その在り方を自分で選び決めていくこと。
それが「どう生きるか」ってことなのかなと思いました。

主人公の眞人は冒頭で母をなくし
気持ちの整理もついてないまま
思い出の残った住み慣れた東京を離れ、
母の妹の夏子が母親になるという。
しかもお腹に子どもまでいる。
拒絶までいかなくても不信感というか
受け入れ難い気持ちだったでしょう。
でも物語が進むうちに夏子にも
抱えている不安とか、複雑な気持ちが
あることが眞人にも理解できて
自分から歩み寄っていくことを選んだのが
まだ子どもなのにえらいなって…
(親目線で見てしまう…親なので…)
(ちなみに親目線で見てしまうと、父親は随分と能天気でいいな…ってなる。まあ、あの家族には、その能天気さこそが必要なのかもしれませんけど。)

アオサギはいい味出してましたね。この話の案内人として、完全に善でもないんだけど憎めないヤツって感じ。
あ、アオサギの他にも鳥が沢山出てくるので、嫌いな人は厳しいかもしれません…!

あとは謎の塔とか、風切り羽の7番とか、そっちの世界と現実世界が微妙に繋がってるところがあったりとか、石が悪意を持ってるとか、ファンタジーとか児童書好きには何か「いいな、そういうの好き!」ってなる設定とかもありますね。
私は見てよかったなと思いました。
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