僕は映画を観る前や観た後に
やることがある。毎回じゃないけどね。
まずオリジナルのタイトルを調べて、
そのタイトルの意味を調べて、
オリジナルポスターを見ておく。
もしかしたら、大事なメッセージが
落ちているかもしれない。
特にハリウッドのアクション映画の
日本でのポスターは何でもかんでも、
なんだか似ている。わざとB級っぽい
ノリに寄せているのかな。
（スーパー・ハード・アクション）って
真顔でよく言えたな。感心するわ。
それって、損してない？
なんだ、良いタイトルじゃないか。
なんだ、カッコいいビジュアルじゃないか。
よくそう思うよ。ちょっと残念。
さて、映画です。
もっとおバカな感じかと思ったけど
面白かったです。良き良き。
職人と言うより、匠と呼びたい仕事人の
ステイサム。その徹底したストイットな
描写がいい。コツコツと周到に周到に
準備をしてゆく。その精密な仕事ぶりから
メカニックと呼ばれる男。そんな一匹狼に
弟子が出来る。凪のような海だった彼の日常
に小さな波が生まれる。
師と弟子との、友情とも、敵対とも
とれる関係は、どちらに転ぶかわからない
緊張感を生む。そんな中、彼らは陰謀に
巻き込まれてゆく。
その一手は、どこに指したのか。
その一手は、どんなものなのか。
そもそも、一手は指したのか。
ステイサム師匠の弟子に対しても
プロフェッショナルとして接する。
その距離感もいい。
選んだ道。友との語らい。苦悩。
矜持。孤独。壁の写真。教え。
『それなら死ね。』
プロフェッショナル。
揺らぎ。間。そしてアクセル。
良き良き。
言い訳も、弁解も、命乞いも、
後悔も、馴れ合いも、妥協もない男たち。
完璧と思える仕事に出来た綻びは、
孤独な男の心に出来た、僅かな
揺らぎにも見える。
良き良き。
