エイデン

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

殺し屋として活躍する ゆうり と、その弟 まこと のコンビは、新たな殺しの依頼を受けて古びたアパートへとやって来ていた
1人を殺す簡単な依頼だったはずだったが、何故か目的の室内には武装した男達がおり、兄弟は激闘の末に何とか彼らの殺害に成功
しかし喜ぶ兄弟が仲介人の赤木から告げられたのは、行き違いで標的を間違えていたという事実だった
当然 報酬など出るわけもなく、赤木が約束していた焼肉の奢りも定食屋の焼肉定食になってしまう
“殺し屋協会”の下請けでアルバイトのような扱いを常日頃から受けている赤木は、今回の件もあり不満を口にする
それでも向上心のある兄弟の言葉を聞いた赤木は、殺し屋協会に所属する殺し屋を暗殺しその空いた枠に潜り込むことで正規の殺し屋となるという方法を提案
もちろんそれは殺し屋協会許されるわけも無く、バレたら粛清対象となる危険な手段だった
しかし現状を変えたい兄弟はそれを承諾
そこで赤木は、同じ都内に住んでいると噂される凄腕殺し屋コンビ ちさと と まひろをターゲットとして提案するのだった
一方 そうとは知らない ちさと と まひろ は、ルームシェア生活を続けながら怠惰な日々を送る
そんなある日、2人の元へ多額の滞納金の請求書が送られて来て驚愕する
それは5年前に1度だけ行ったジムの会費で、生活能力の無い2人は解約することを忘れ、払い込みも怠っていたのだ
仲介人の須佐野に相談したものの、殺し屋用の保険料の未払いまで指摘され、金曜の15時までにジム利用料と合わせて全額を支払うよう命じられる
期限まで払わなければ謹慎だと須佐野に口酸っぱく注意された2人だったが、とことんズボラな性格が災いし、互いが支払ったものと勘違いしたまま金曜を迎えてしまう
時間まで残りわずかとなったところでようやくその事実に気付いた2人は全速力で銀行へと駆け込む
ところがその時、銀行に最近話題となっている銀行強盗が現れ、2人は他の客と共に人質となってしまうのだった
騒ぎを起こさないように静観していた2人だったが、銀行強盗の手際の悪さで期限の15時が迫っていく
すぐに我慢の限界を迎えた2人は圧倒的な戦闘技術で銀行強盗を制圧するも、結局 期限には間に合わず、警察沙汰にもなったことで須佐野から謹慎を言い渡されるのだった
多額の滞納金を払わされ一文無しとなった2人は、殺しという収入源も失い、謹慎が明けるまでフリーターとしてアルバイトで食い繋ぐ羽目に
そんな2人を狙い、ゆうり と まこと、赤木の3人が静かに迫っていた



ゆるふわな殺し屋コンビの日常と仕事風景を描いた『ベイビーわるきゅーれ』の続編

ちさと と まひろ の名コンビがカムバック!
オフビートな日常の笑いと、キレッキレのアクションという高低差のあるギャップ感で話題になった前作から、ノリもそのままに続編が登場
高校生殺し屋だった ちさと と まひろ も、今やフリーター殺し屋になり、相変わらずの生活を続ける中、その命を狙う殺し屋兄弟との激闘を描く

相変わらずのグダグダな日常風景を送る ちさと と まひろ に対し、ライバルとして新キャラの ゆうり と まこと が実質もう1組の主人公として登場
下請けの殺し屋という限界底辺コンビが成功という野心を持って、ちさと と まひろ に照準を定める
ややしっかり者の兄とポンコツな弟という、こちらも愛せるキャラながら、アクションもバリバリで大変良い

この新たな刺客を迎えて、世界観が広がっていくのも面白い
殺し屋協会もろもろの背景もそうだし、何より前作でも強かった ちさと と まひろ が、ゆうり と まこと を通して終始強キャラとして映るのも良い

そしてやや社会風刺的な側面もあって、それが殺し屋兄弟の救いようの無さに表れている
馬鹿馬鹿しい意味合いでもあるけど、同時に彼らが ちさと と まひろ の殺害を達成したところで底辺生活から抜け出せるわけも無いんだよね
能力自体は悪いものでもないのにそうした社会的立ち位置から抜け出せず、悶々とした中であてもない希望を持って殺しの仕事を一種エンタメとして捉えているような素振りは、ちさと と まひろ の強さとシビアな価値観と対比して小物として映る
でもそんな若者割といるよなあというリアルさもあって、物悲しさを感じるラストも後を引いた

そんな ちさと と まひろ のシビアな側面は良かったけど、コンビとしての成長みたいな魅せ方にも繋がらなかったのはちょっと残念
パッと見としては前作と同等であって超えるような魅力には欠けてるようにも感じる
ただ前作が刺さった人には刺さるだろうし、主演2人のファンにはたまらない内容になっていて相変わらず満足感は高いので観ましょう
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