10円様

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーの10円様のレビュー・感想・評価

3.6
 やっと観られました😊
 前作に比べるとちょっとこぢんまりと印象でしたがちさととまひろの緩い会話劇は健在。それどころかそこにバイトの殺し屋兄弟とか死体処理班のコンビもゆるトークに入ってくるというね。こういうのが好きな人には前作同様オススメです😊
 しかも死体処理班の田坂は独り言が多いキャラなんですが、あれは全部アドリブのよう。凄いですよね…
 なんでも監督は「脚本が王様になる映画はダメ」という鈴木卓爾監督の言葉に感銘を受け、脚本はあくまで指南書。現場のムードから発せられる俳優の自然な言葉を重んじているようです。リアルなゆるトークにも納得が行きそうですが、年配の俳優さんにとってはキツそうですね笑

 今回特に注目したのはやっぱり神村ゆうりを演じた丞威のアクションの立ち回りですね。彼は「燃えよデブゴン」でドニーイェン先生とバトれるほどの逸材です。正直、冒頭ヤクザだかチンピラの部屋で神村兄弟がバトルするシーンは「こいつらほんとに殺し屋なのか?」「強いのか?」と思えるくらいのお粗末ぶり。まあ正規の殺し屋じゃなくてバイトくんなので実力もそれくらいなんだと思いきや、結果ちさととまひろにも引けを取らないくらいの強さ。そこら辺に説得力がありませんでしたが、丞威と伊澤彩織と体をはったバトルはめちゃくちゃカッコいいです😊
 伊澤彩織もジョンウィックにアクションスタントして参加しているし、こう言ったアクションできる人がアメリカでは成功するんだよなぁ。

 そんな大それたメッセージは無いと思うんですが、現代社会における非正規雇用者の飽和。正規の社員になるのは困難な状況なのに実際会社を回しているのは多くの非正規雇用者。しかもそれに見合う報酬とは程遠い。そんな超現実的な問題は裏社会の殺し屋組織の中にもあるというね。
 「最強殺し屋伝説国岡」では一般社会と殺し屋社会の隔たりをなくした感じでコミカルに描いていましたが、こちらはまた裏社会にもも表社会と同じような辛さがあるんだよ。というアプローチで描いてくれましたね。

 実際ちさととまひろってどれくらい給料もらってるんだろう。協会の正規職員だから固定給だと思うんですが、割と生活には困ってるようだし。バイトの神村兄弟なんて二束三文の世界なのかな?実際私の職場の非常勤の給料なんてびっくりする程の薄給だし…

 私も過去そう言う人を何人か見てきました。正規職員になりたいがために上司の機嫌とりに勤しんだり、新人の正規職員をいびってやめさせたり。その人にも生活があるので必死だったんだと思います。まさに神村兄弟もそんな同じような心境だったんでしょうね。
 
 ちさととまひろの関係。最初はレズビアン的な関係が強いのかな?とは思いましたが、どうもこの2人「ドラえもんとのび太くん」の関係が自然と強まっているようですね。前作はヤクザ組織との戦いを描いていて、本作はそういった巨大な危機とは離れた物語で進みますので、2人の関係ってのが一層浮き彫りにされた感じでした。
 今秋、3が公開される予定ですが2人の関係はどうなるのかとか、キャスティングとか、洋画をもじったタイトルも気になるところです。

 そう言えば新しい学校のリーダーズが主題歌だけじゃなくて映画にもちょい役で出てましたね😊嬉しかったです!
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