よしまる

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのよしまるのレビュー・感想・評価

3.9
つーわけで待望の続編の登場である。

どう考えても1作ではもったいないよね、というキャラクター。アニメでは追いかけるように「リコリスリコイル」という同じくガンを扱う女子2人組のTVシリーズが大ヒット。

偶然にも主人公の名前はどちらも「ちさと」。2人の日常のほのぼのとしたやりとりとシリアスなガンアクションのメリハリが趣向としては近いのだけれど、リコリコの方はアニメであることもあってか、物語がすごく練られていて、いわゆる百合要素のある萌えアニメとは一線を画すハードな展開が魅力的だった。

まさかそれに引っ張られることなどないだろうと思いながら、どういうふうに出るかを楽しみにしていた本作「べいびーワルキューレ2べいびー」。なんで2のあとにまたべいびーがついているのか謎なのだけれど、ひょっとして敵役の2人組のことなのだろうか。知ってる方います?

オープニングから、うだつの上がらなさそうな2人組のチンピラが登場。おお、ウルトラマンジードの濱田くん!時々見かけるけれど、やはり存在感のある良い役者さんだなぁ。物語としては前作よりもスケールとしてはこじんまりとしてしまうのは仕方ないとして、そのぶんキャラクターの掘り下げとしては素晴らしく、相変わらず楽しめた。

逆に敵側が個性的で魅力を持つほど主人公サイドのバージョンアップが難しく、下手するとスピンオフ的な出来になってしまいかねない。実際、借金返済のために駆け回るだけで、どうしても負けられない戦い、超絶追い詰められたピンチ、といった類の負荷が軽すぎて笑、作品そのものの質もちょっと薄味になってしまった気がする。

まあアクションそのものはかなりグレードアップしているし、スタントマンとしてハリウッドにまで進出したまひろ役の伊澤彩織のキレも抜群。何より、リコリコにあったようなシリアスな社会派ドラマとは無縁を貫いているのがやはり痛快であることに変わりはない。

とはいえ、ゆるゆるな世界観ばかりでは飽きが来てしまうこともまた確かで、次回作では2人がちょっぴりシリアスな世界に投げ込まれたらどんな活躍をするのか、そんなところを見せてもらえたらと思う。
観るほうはとかくワガママなものなのでね。