ここう

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのここうのネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

取捨選択の大切さを再認識させられる。

NHKでやっていたドラマが好評で映画化。オリジナルストーリーかと思ったら、原作あるのね。フランスのマンガ(バンドデシネ)のプロジェクトとして描かれたみたい。

プロットは良かった。絵も好き。だけど、物語の濃淡がチグハグな印象を受けた。見せたいものが多すぎて、何も選べないまま撮ってしまった様に見えた。具体的に言おう。

辰巳がz13倉庫で贋作を描かせて売っていたという話があった。これは物語の核では無い事を前提としてもこの話はかなりぞんざいに扱われている。犯人として指摘された辰巳は反論もそこそこに呪い殺されるし、その後物語の中では犯罪そのものがうやむや。だったらもう無い方が良いくらい。地下に行く理由は黒い絵の有無だし、呪いの被害者として登場する消防士もこの贋作話なくても登場できる。

もうひとつ。野口は黒い絵を観てしまい、昔事故死させてしまった息子への後悔で溺死の呪いを受ける。エピソードとしては良いけど、それを思わせる前置きが無い(おそらく無かった)ので、観客から観ると、いきなり息子が出てきて可哀想な話を見せられるコトになる。しかも黒い絵の存在が明確になり、主人公たちの身に危険が迫っている最中に、びっくりするほど丁寧な説明セリフで。
そんなん、いきなり言われても『えっそうなの!?ってか、今その話しなきゃだめ!?』ってなってしまう。

『死んだ相手には効かないって聞いてたヘブンズドアが奈々瀬に使えるのなんで!?』みたいな、感情の整合性が取れてれば雰囲気で説明できる話とは別で、プロットに謎解き要素を出すならきっちり説明すべきだし、感情を揺さぶるエピソードを持ってくるならその下準備は抜いてはいけない手間だと思った。

もういっこ雑なエピソードあるけど、それはいいかな。。

ぐだぐだ言ったけど、絵は良かったし俳優の演技も素晴らしかったと思います。あと、呪いが泉くんに効かないのは根拠は無いけど納得感はありました。
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