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風の谷のナウシカの群青のレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
4.5
ラピュタは冒険活劇なんで楽しく見れる。ジブリ最初の作品の今作もアドベンチャー要素はあるが、こちらは少しものものしい雰囲気だ。何故かって冒頭の環境からして、人類が衰退していることが分かるからだ。

瘴気に侵された世界。
火の七日間。
子どもの頃は難しくてよく分からなかったが、それでもシリアスな雰囲気は分かった。

自分は原作は未読だ。それを踏まえてのレビュー。

子どもの時に何度も見たがあまり内容は理解出来なかった。
ただナウシカが自然を愛し、悪い女が無理矢理、悪い力を目覚めさせようとしている、という感覚だった。

設定は現在の地球、というか人間の普遍的な課題なんだろう。
人間の手に余る技術は世界を滅ぼし、自然もまた猛威を振るう。

自然は屈服させるものではなく共存していくもの、というのがとても伝わってくる。おじいちゃんの言葉とかまさにそう。

何かを奪って生きていく事。それが自覚出来るのが人間の特権の一つ。
この特権を活かすも殺すも人間次第。
自覚出来る以上、バランスを考えなければならない。

今作はそういう哲学的なメッセージはもののけ姫と同じくらい強い。
ただ、それをふわっとでも子どもたちには感じさせるバランス感覚は宮崎駿は凄い。
少なくとも当時の自分はふわっと感じたな。

話は重いがナウシカがそれを感じさせない、強くて気丈に振る舞ってくれるので安心して見れる。やはり名作ですな。
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