群青

君たちはどう生きるかの群青のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.5
2023年劇場鑑賞9作目。
原作?というか原案は未読。


風立ちぬのレビューで、これが最後だろうけどあの人のことだからまた作るだろうなと書いたんだけど、本当に作ってしまったなぁ笑


前作が自らの哲学と趣味嗜好をぶち込んだ作品ならば、今作は自らの(残りの)人生と自分にできることは何か?を突き詰めた作品だった。


ストーリー的には母を失った子どもがその事実に向き合ってちょっと成長する行きて帰りし物語なんだけど、全体をかなり抽象的な雰囲気が包み込んでるので観終わったあとの感想が、面白かったより凄かった、になってしまった。
まるで美術館を終わった後の素人の感覚みたい笑

というか前作のモネのように、どのショットもどこかの絵画の引用したような芸術的たショットだった。
比喩ではなく本当に美術館巡りしてるみたい。
実際にたくさんあるだろうし自分でもあれはアレかな?と気づけるくらいにはあったかと思う。
また、過去のジブリ作品のオマージュも多くあり、あれ?これはもののけ?これは千と千尋?という既視感が結構あったと思う。
これは完全に意図していると思う。


そうまでして何を伝えたかったのかというと、それは主人公の最後の選択が鍵になっているのではないか。
主人公は最終的に二者択一を迫られる。
自己犠牲か創造という世界の崩壊か。

主人公の選択はフィクションという理想の世界から現実世界への旅立ちを意味していると思う。
苦しいけども自分が逃げていた事実に向き合う。

世界はそういう事実だけじゃない、という前向きなメッセージだった。
その証拠に彼は確かな友情を育んでいた。それが誰かは観たらわかると思う。

でもそこに至るまでのストーリーやその二者択一も唐突のため、これはセカイ系か?というかシン・エヴァじゃね?とか思いました笑


まさに宮﨑駿版、私は好きにした、君らも好きにしろだ。というかこれに尽きる笑


しかもこのメッセージはそういう現実への旅立ちともう一つあると思う。

それは今作の本当のターゲットとは観客だけじゃなく創造を生業としている仕事、特にアニメーター、アニメ監督、アニメという業界の人々に対して特化してるメッセージなのではないか?ということだった。


奇しくもジブリが日本テレビの子会社になるというニュースがあった。
そこでプロデューサー鈴木敏夫はとくに後継者という課題に苦しんだ、話している。

宮崎駿というのに縛られずに好きにしてよということではないのか?
今作の監督の名前は宮﨑駿。
何故今までの宮崎駿から変えたのか。それは名に縛られないようにしてほしかったのか?穿った考えかもしれない。


今作で自分のやりたいことはやり切ったと思うので、もし、まだ創っていただけるのであれば。
今度はみんなが観たいものを創る、となるのではないか。
千と千尋を最後に、ハウル・ポニョ、風立ちぬ、と明確な面白さとは少しずつずれていったような。
観客が望んでいるラピュタとかナウシカとかからはどんどん遠のいていった。
しかしここで再度みんなが観たかったものを創るのではないか?と思う。というか期待してしまう笑
ジブリの経営も手放したようなもんだし別の今で肩の荷が降りたんじゃないかな。
また観せてください、宮﨑駿監督最新作。




最後に余談なんだけど、、、、、
ペリカンへの風評被害は大丈夫なんでしょうか…笑
ペリカンかわいそう…あんな描き方されて…

もう一つ…
フツー亡くなった奥さんの妹を次の嫁にします?
引くんですけど…まさかコイツも好きにしたってことですか?ケッ!
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