あーさん

風の谷のナウシカのあーさんのレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
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実は、、恥ずかしながら今作、ちゃんと最後まで観ていなかったジブリ作品のひとつ。
印象に残るシーンは何度も何度も観て覚えているのに、通しで観たことはない。
最後まで観れない理由はわかっている。
寝落ちしてしまうのだ。。

ナウシカはカッコいい。
理不尽なことに"NO!"と言い、誰かに守られる姫ではなく、谷に住む皆や全体のことを思い、相手を傷つけず自らの身を投げ出し、平和を願う姫である。
そして、真っ直ぐで清らかで…。
そう、ナウシカは優等生。
良い子過ぎて、眩し過ぎて、私にはちょっと遠い存在。。
公開時もう既にある程度大きくなっていたこともあり、なんだかハマりきれなかった記憶がある(9つ下の妹はナウシカになりきって王蟲によく似たダンゴムシをたくさん集めて、それが入った袋を部屋に持ち込んで母に怒られていた…💦)。

私は同じジブリ作品の中ならどちらかというと、失敗ばかりしてるけど一生懸命やってます!みたいな"魔女宅"のキキとか"耳をすませば"の雫とか等身大のヒロインがタイプだった。
闘うのが苦手で、絶対にリーダーにはなれない自分とナウシカに重なる部分を見出せなかったのが、夢中になれない理由だったのかもしれない。


だったのだが、、
この度初めて最後まで鑑賞してみて、本当に素晴らしい作品だと改めて気づいた!!


ナウシカの完璧なまでの人となり。
攻撃的になる人は何かを恐れている、と指摘するナウシカ。
見た目だけで判断したり、自分に関係ないから、と相手を粗末に扱うことの愚かさ。
世界は繋がっているのに。。
王蟲を殺すことは、自分たちの世界をも滅ぼすことになると気づいていない。
その愚かさを人々にかき口説いて、身を以て示すナウシカ。

知性と愛、そして勇気。

全てを兼ね備えたナウシカ。

宮崎駿監督が伝えようとした世界の全部が、ここにある。

蒼き衣を纏ったナウシカが金色の草原を行く時、、私の目には大粒の涙が溢れていた。

私は何故長い間、この素晴らしさに気づけなかったのか。。

大好きな"マッド・マックス〜怒りのデスロード"のフュリオサに通じるものを感じた。

闘わないと何も守れない。。

立ち上がるのは自分だ!!
あーさん

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