山岡

ザ・キラーの山岡のレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.5
Netflixオリジナルのフィンチャー監督最新作。

仕事の失敗を理由にクライアントから家族に危害を加えられた殺し屋が報復を行う…というシンプル極まりないストーリー。主人公はほとんど喋らず人と関わらないのでドラマは発生しないし、派手なアクションシーンは1つしか無い。はっきり言って、かなり地味な作品。

サスペンス映画としては、第1章の安全圏から向かいのビルを覗き見し、最後には自分が見られる側になるという『裏窓』をそのまま再現したような展開がハイライトと言える。第2章以降は少し残酷なんだけど我々現代人の生活と妙にリンクしたコミカルな仕事ぶりをペダンティックなモノローグとともに淡々と描かれていく…『ゾディアック』や『マインドハンター』のようなエンターテイメント性の高いサスペンスを期待すると肩透かしを食らうと思うが、モノローグ多めでドラマが起きない、殺し屋版の『孤独のグルメ』だと思って軽い気持ちで楽しむとちょうどいい気がする。
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