円柱野郎

紳士は金髪がお好きの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

マリリン・モンロー主演のミュージカル・コメディ。

主人公は親友同士の2人の美女ダンサー。
一人は頭が弱そうな金目当てで男に近づく金髪(マリリン・モンロー)、もう一人は気が強そうで金よりも男の魅力が好みな黒髪(ジェーン・ラッセル)という好対照。
この辺はブロードウェイ用の戯曲が原作だと聞くと、何となく納得してしまう設定ですな。
主役二人のオープニングが華やかでこの時代のミュージカルが始まるって感じは良いけど、劇中はモンローが演じるローレライのキャラクターにイライラしてしまった…というのが正直なところ。
金や宝石に目がなく、何が何でも手に入れようとする姿勢や、ティアラの件でも悪びれない態度はどうもねえ。
映画としてはモンローが演じるこのキャラにメロメロになることを狙った見せ方でもあるんだろうけど、個人的な女性の好みには合わなかったので(苦笑)

ただローレライの“頭の弱い女”というキャラクター自体が、実は「それでも好いてくれる男を…」という彼女の計算であったというオチは少しばかり感心もしたところもあるけどね。
“ローレライではない”と思い込んだ金持ちの父親が容姿だけを見て結婚に賛成する姿を通して、「結局男だって美女が良いでしょう?」ということを、「金持ちが狙い」というフィルターを通して逆説的に男に投げかけているという話の構造も良いと思う。
コメディ部分はいかにも当時の舞台って感じのするところもあるけど、戯曲としては面白く出来ているかな。
円柱野郎

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