岩嵜修平

パスト ライブス/再会の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.6
【2回目】
アカデミー賞候補で、高評価な作品がピンと来ない訳がない…!と思って2回目を大好きなル・シネマで観たけど、やはりピンと来ず…。中年おじさん号泣映画と聴いていたけど、初見も2回目も、鑑賞後に鼻を啜る音が全く聞こえなかった。既婚の疚しい人しか感動できないのか…?

とは言え、アメリカではヒットしたらしいので、何か刺さるところがあるんだろうな。岩井俊二っぽいと評されるのは『Love Letter』との類似性かしら。それよりは、パンフで森さんが書いてる通り、リンクレーター『ビフォア』シリーズに近いけど、あの傑作ほど主人公たちに思い入れられないんだよな…。

演劇の脚本家としても成功(演劇好きとしては、ここら辺の説得力が無いのもアレだけど)して、若くしてAIRで会った作家と結婚して、その相手も売れっ子になって、その上で、24年も放置して来た相手を振って終わる話を映画化するって、どんな視点なんだよセリーヌ・ソン。世代が近いから腹立つのかな。

【1回目】
期待が上がり過ぎていたのか、 オスカー候補ほどの作品…?と思ってしまった。映像は素晴らしいけど、似たような物語は様々に観てきたし、ラストの落とし所はそれしかないし。「イニョン≒縁」も語り尽くされてないか。24年間の社会の変化も、描写が足りない気が。

同じ初監督作なら、『ビニールハウス』のイ・ソルヒの方が才能を感じるし、セリーヌ・ソン監督、ほぼ自伝的な作品でオスカー候補にまでなっちゃったの本人のためにならない気がするけど、大丈夫だろうか。『フェアウェル』のルル・ワンみたいに本人の特性に合った良い企画が来れば良いと思うけど…。

父親の設定(実父がソン・ヌンハン監督)も含めて自分自身の話なんだな。次回作も決まってるので、判断はそれからかな。グレタ・リーとユ・テオとジョン・マガロは良かった。
岩嵜修平

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