原作好きなので、アニメ化する意義が疑問だったけど、あったわ意義。あの宇宙人に声(言葉)を与えること。彼らだけでなく、すべての登場人物に血を通わせることに意義があるし、梅林太郎の音楽も良かった。脚本は流石の吉田玲子の手際の良さ!
アニメとしての新しさはそこまで感じなかったものの、浅野いにおワールドが、あそこまで自然にアニメ化できるのかという驚きはあった。独特の暗さの表現も、ちゃんとマンガの感じを踏襲。声優は、あの&幾田りらの必然性は無かったし、本人が浮かんでノイズだったが、声の演技スキルは全体に確か。
とある人物の「死」について、原作ではサラッと扱われてしまった印象だったが、アニメでは、主人公の内面描写がしっかり描かれていて、その後の宇宙人への複雑な感情の描写に寄与している。正義の暴走などのテーマも今こそ響くものが。タイミング的にNetflix『三体』と同時期に観られたのも良かった。