みほみほ

ヴァチカンのエクソシストのみほみほのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0
🛵😈2024年61本目😈🛵(字幕)

信じるか信じないかはあなた次第ですの世界なのに、なんだこの満足感。事実かどうかは別として、エンタメホラーとして観る終盤の悪魔祓いシーンが胸熱過ぎて感動さえした。幾度となく繰り返されてきたジャンルで、ここまで心を鷲掴みにされるなんて思いもしなかった。

幼少期から「エクソシスト」がホラーの金字塔として君臨していて、悪魔って本当に居るのかな…と想像する瞬間の恐怖が作品を楽しむ心に火をつけてくれてたけど、今の自分が真っ直ぐ観るには 少々抵抗のあるジャンルになってきているのを肌で感じていて、信仰やら神や悪魔の存在などを押し付けてくるのが苦手なのだが、そんな心配は冒頭辺りで消え失せ、普通に映画としてどっぷり楽しめていた。流石ラッセル・クロウパワー。

ヴァチカンを崇高な感じで描いたらここまで楽しめなかったと思うけど、しっかり腐敗にも触れていたり ヴァチカンに居ながら信仰心に迷いや揺らぎがある人物も描かれていたのが良い。

一つ書いておきたいのは、、、
映画として盛り上がる展開ではあるものの、人間が時に残酷すぎるからこそ…悪魔のせいにもしたくなるのはこの世界を生きていてとてもよく分かるけど、大胆な設定を描き過ぎることによって実在の人物の真実味が無くなり霞んでしまうのではないかと思った。その部分に関してはとても残念だった。逆に歴史上の残忍な行為の数々が悪魔の仕業だったらどんなに良いか…。

悪魔のせいにしたら楽になるのは分かるけど、人間が生み出してる問題まで悪魔に責任転嫁しないでよ…。魔が差したって言葉への違和感と似てる気持ち悪さを感じた。

それと流石に悪魔だって、わざわざ人間に入って苦手な聖水かけられたり 十字架つけられて焼かれたりとマイナスでしかないのに、ここまでまわりくどいことしないでしょ〜と冷静になってしまう部分はどうしてもあるけど、本国の人が見たら本気で恐れる感じになるのか気になる〜

アスモデウスの名前が出た途端に、スーパーナチュラルでアスモデウスを演じた方のイメージと大塚芳忠の吹替を思い出して、ちょっと笑ってしまったけど、スーパーナチュラルのお陰で悪魔の種類とか神との関係性が意外と知識になってるの実感して面白かった。

日本人からすると 怒らせてはいけないと恐れられてるのが 鬼とか神社の神様とかそこらへんだと思うけど、悪魔を恐れる人達からしたら鬼とか狐の神様とか神話っぽく聞こえるだろうし、私も本作を観ながらだいぶ神話じみてるなと感じてたけど、信仰の違い文化の違いを挟んだ上でも面白かった!

原チャリで移動するラッセル・クロウがシュールだったし、大胆過ぎない程度に暴れてくれる安定感とユーモアが最高でした。何度聴いてもいい声してて、強面なのにお茶目で結構ハマり役に感じたけど、実際のアモルト神父とは似ても似つかぬイメージで 大胆なキャスティングだなと思った。

観始めは ハマらなそう〜と思ったのに嬉しい誤算だったし、ラッセル・クロウ単品ではなくバディものみたくなってて楽しい展開だった。

スコアはラッセル・クロウ贔屓込み。ラッセル・クロウでなければ 3.8😈
みほみほ

みほみほ